診療内容
泌尿器科疾患
過活動膀胱
過活動膀胱とは、急に尿がしたくなって我慢しにくい症状(尿意切迫感)がある病気です。このため、トイレが近くなったり(頻尿)、トイレまで間に合わすに尿が漏れてしまう(切迫性尿失禁)などの症状も引き起こします。
脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)、パーキンソン病などの、脳や脊髄の病気のために膀胱のコントロールが効かなくなって発症する場合、前立腺肥大症などによる排尿障害が原因で発症する場合もありますが、加齢による老化現象として起こったり、原因が不明のことも少なくありません。
原因疾患があればその治療を、なければ薬物治療が中心となります。
膀胱炎
女性に多い病気で、トイレに行く回数が頻繁となり、おもに尿が出終わる時に痛みをともない、尿も濁ってきます。他には残尿感、下腹部の不快感、血尿なども見られます。抗生物質の投与ですぐ良くなりますが、きちんと治さないと再発しやすいので、完治したかどうかの確認のため、必ず再診の上、検尿して下さい。
前立腺肥大症
50歳以上の方に多い病気で尿が出るのに時間がかかり、尿が出にくくなる病気です。排尿状態の検査、前立腺の触診、超音波(エコー)、血液検査等にて前立腺癌と鑑別診断し、治療を行ないます。前立腺癌が疑われる場合は、さらに詳しい検査が必要です。
腎臓・尿管結石
背中、横腹、下腹部などに、刺し込むような激しい痛みがあります(痛みがなく、血尿だけの場合もあります)。結石の大きさや場所によって治療方針が異なりますが、小さい結石は、自然に排石するようにします。排石できない場合は手術が必要ですが、体外衝撃波による砕石治療の普及で、開腹手術はほとんど無くなっています。
急性尿道炎
STI(性感染症)のことがほとんどです。STIページへどうぞ。
慢性前立腺炎
会陰部、下腹部に不快感があるなど、さまざまな症状がみられ、治療には長い期間が必要です。
副睾丸(精巣上体)炎
睾丸(精巣)のすぐ横についている副睾丸(精巣上体)が大きくなり、疼痛が強く、39度位の高熱が出ることもあります。精液に血が混じることもあります。
睾丸(精巣)腫瘍
睾丸(精巣)が大きくなりますが、痛みはない病気です。悪性のものも多いので、すぐに手術が必要です。
尿失禁
尿が、勝手に出てしまう、つまり「おもらし」のことです。以下のようなタイプがあります。
- 切迫性尿失禁(間に合わずにもれる)。
- 腹圧性尿失禁(咳、クシャミ、立ち上がるときなど、おなかに力が入ったときにもれる)。
- 溢流性尿失禁(尿が残っていて一杯になり、ちびちびもれる)。
- 切迫性、溢流性尿失禁は薬物療法が有効な場合が多いですが、腹圧性尿失禁は、簡単な体操(失禁体操)が有効です。 しかし、これらの混合型もあり、治療方法は一人一人違います。
おねしょ
子供のおねしょは、ほとんど治ります。ただ、発達(成長)が他の子に比べて遅れていることが多いのです。おねしょは親としても気になりますが、本人はもっと悩んでいると思ってください。おねしょの治療で、大事なことは、怒らず、起こさず、あせらずの三点です。子供は、たまに怒られただけでも、結構おぼえているものです。おねしょをしないようにと夜中に起こすと、中途覚醒となり、睡眠のリズムを狂わせ、生活のリズムを狂わせます。おねしょをしてもニコニコしていてあげてください。治療は、昼間のオシッコの回数、出方(勢い)、残尿の有無などをチェックしてからその子にあった生活指導、投薬をいたします。
包茎
亀頭が包皮におおわれ、露出していない状態を包茎といいます。乳幼児は亀頭が常に包皮によっておおわれており(生理的包茎)、包茎であってもおかしくはありません。治療として、毎日、入浴時にでも少しずつ包皮をむいてやれば、亀頭はだんだんと露出するようになりますので、すべての子供さんに手術をするわけではありません。炎症を繰り返すもの、オシッコの出口が狭く、オシッコの勢いが悪いものなどは手術する方がいいかもしれません。ただし、全身麻酔をかけますので、入院が必要です。
青年期以降の完全包茎(亀頭が全く露出しない)には手術が必要です。亀頭が露出可能な仮性包茎は、清潔に保てば、必ずしも手術の必要はありません。しかし、患者さんが包茎に対して強い不安や不満を持ち、手術を希望される場合は、正しい知識を持ってもらった上で、ご相談いたします。 一般に、仮性包茎では健康保険の適応はなく、自費となりますが、施設によって費用は異なりますので事前の確認が必要でしょ う。